年寄りのベッド体操。

 ベッド体操と言えば、誰しもが思い浮かべるのは大人の秘め事だが、最近始めた私のベッド体操はそんな色っぽいものではない。歳のせいか、夜中にトイレに立つと目が覚めてしまい、二度寝のできない事が多くなった。
 
 2~3時間寝付けずに、朝日に白む窓明かりを見るのも虚しく寂しいものである。かといって、寝ている女房を起こして大人のベッド体操をするのも気が引ける。(本心か?)
 そこで、パンダを飼ってから始めたのが寝床での体操である。まずは、クラッチを握る左手の握力を高めるべくグーパーを100回やり、続いて腹筋を50回やり、次には背筋も鍛えるべくブリッジをする。
 それを何回か繰り返すと、疲れるよりも阿呆らしくなって眠る気になって寝付ける。
 
 夜中にそんな事をやっていると、夜具のゴソゴソする音で女房を目覚めさせてしまう事もあるが、大方は気付かれる事はない。
 じゃあ、女房が目覚めた時には大人のベッド体操に移行するかと言えば、女房はトイレの後、簡単に寝付いてしまう。年寄りのベッド体操とは色気の無いものである。