今日は終戦記念日。

  私が就職した頃には、まだ兵隊経験者の社員が沢山いました。あまり無線技術の優れた先輩ではありませんでしたが、その人の経歴が面白かったのを思い出します。
 
  徴兵検査で父親の職業を聞かれ『電気屋です』と答えたら、即「通信兵」と決まってしまったそうです。
  だいたい、子供は親の職業など嫌いなものですからガッカリしたし、モールス符号和文)を覚えるのに苦労したそうです。だって、文字通り『モールス符号を叩き込まれた』そうですから。
  ン?『叩き込まれた』の意味が判りませんか。覚えられなければ殴られるし、電文を聞き間違えれば殴られる。文字通り肉体的苦痛が嫌ならば覚えるか、自殺するかです。
 
  兵隊の自殺については、南の小島に行かされた先輩から兵糧倉庫に侵入して兵糧を腹一杯食って、小銃の銃口をくわえて足で引き金を引いて自殺した新兵の話しを聞きました。
  長期戦を予想して兵糧を大切にしていたのですが、アメリカ軍の艦砲射撃で一番頑丈に作られた司令官室(武器庫と併設)と兵糧倉庫が一番先に吹き飛ばされたといいます。
  その後、アメリカ軍はそんな小島に目もくれず、小島の目前を通過して行ったそうです。でも、毎日の様に艦載戦闘機が飛来し、残りの弾丸を撃ちつくすためか、それとも射撃演習をしたのか、反撃されない安心感で撃ちまくったそうです。
  アメリカ軍の艦砲射撃と戦闘機の射撃で死んだのが1/3。艦砲射撃後の飢えで死んだのが1/3。だったそうです。