昔、上手くいった政治政策。

  私の記憶では、池田首相が1960年に策定した『所得倍増計画』が一番身近だったのではないだろうか。まあ、時期も良かったのだけどね。
 
  敗戦後の混乱と食糧難が朝鮮戦争の特需景気で活気を得たが、停戦協定で戦争行為が沈静化すると日本は不景気になったが、1964年には東京オリンピックの開催が決まっていたから、国民の目はオリンピックに引きつけられてた。
  すなわち、池田首相はオリンピックの4年前に『所得倍増計画』を発表したのだ。
 
  オリンピックのために新幹線や首都高速などの建設工事をやっていたので、国民の目に見える変化が起きていて、何か良くなりそうと期待感が持てた。
  本来的に、政治政策というものには国民の目に見える成果が必要なのである。目に見えれば、政治目標を定めて進むべき方向を示せば、各方面でそれぞれ自然と努力をするものなのである。
 
  そして、第一回東京オリンピックをふみきり台として日本経済は大きく跳躍した。給料の額面も5~6年で倍になったが、物価も倍になっていたので生活の苦しさはあまり変わらなかった。
  それでも『日本はもっと良くなれる』との希望はあった。まあ『このサプリで痩せられる』という希望となんらかわるものではないのに、国民のすべてがそう思っていた気がする時代であった。そんな時代をよくあらわした言葉が『一億総中流時代』という言葉であった。
 
  なにか安倍首相の『アベノミクス』とか『三本の矢』とかって、数字ばかり口にするだけで目に見えるものが無いよな。国民の実感を言葉であらわすと『一億総貧困時代』とか『一億総派遣時代』になるのだろうか。(安倍首相の言葉って夢が持てないよな~)
 
7月4日6時:追記
  入社が18歳で初任給が1万2800円だった。結婚が27歳で約4万5000円の手取りだった。その時のアパート代は1万6000円だったので生活はあまり楽ではなかったが、新婚時代は食い物をケチっても楽しい事はあるもので~す。(ウフフ)