政治とサプリメントの共通点。

  サプリメントの結論を先に書くと『効果はあっても、早急に顕著な結果の出ないのが良いサプリ』という事である。
  例として、美しく痩せられるというサプリがあったとしよう。短期に効果が出てみんなが痩せてしまえば、その時点でサプリは売れなくなってしまう。もしくは、毒があるために痩せたのかもしれないという疑いも出てくる。
 
  今の安倍政治を見ると、サプリと偽って即効性はあるが長期使用では毒となるカンフル剤を使っている気がする。
  政治の大原則は『政教分離』と『政経分離』だが、安倍首相は為替や株価にチョッカイを出し、無理に国民の気分高揚を謀った。さらに、アベノミクスは景気浮揚のために政治の禁じ手である『貧富の格差を生じる政策』を実行した。
 
  アベノミクスは大企業の利益を増やす一方で、契約社員も増やして年間所得が3百万円以下の労働者を急増させた。
  ところが人間心理というものは、貧しさよりも格差を強く感じるから不満が鬱積する。政治家は労働格差を作ってはならないのだが、安倍首相はそれを無視したのである。
  働けば収入が増えるという当たり前の労働環境に戻さなければ、今後は曲がり角にさしかかったアベノミクスの悪い面が表に出てくると考えられる。
 
  さて、今日からサミットであるが、各国とも経済的には停滞気味だし経済の先行きも見えていない。そして、経済的に豊かに見える国でも貧富の格差を内包している。
  こんな閉塞感のある時代は、どこの国の主導者も目に見える政治成果がほしいから、カンフル剤的な政策に魅力を感じているはずである。しかし、それを使い続けるのは誤りである。

  アベノミクスでいえば、一時は安倍首相の言葉への期待感で株価は2万円を超えたが、今は値下がりして神経質な値動きをしている。このままカンフル剤を用い続ければ事態は悪化するだろう。そろそろサプリに移行してカンフル剤で受けたダメージを修復すべきだと私は思う。