野党の戦い方はかくあるべし。

 今回の争点の無い選挙は大きな地盤変動もなく、改選前とほぼ変わらぬ結果で幕を閉じた。その茶番ぶりが滑稽であり、かつ哀しい。
 
 では、今回の選挙で野党はどう戦うべきであったのだろうか。一番の問題は自民党の言い出した『アベノミクス論争』の土俵に上った事が敗因と言える。そんな事は国民の信を問う必要など無い事だと、自民党の土俵を否定すべきであった。
 否定の焦点は選挙経費が600億円を超える無駄遣いである事から始めればよかった。600億円の税金により、オリンピックが行われる東京の整備がどれほど行えるか、有権者に見える様に論陣を展開すべきであった。
 
 東京オリンピックが開催されたのは50年前である。すなわち、東海道新幹線首都高速も、東京の上下水道も50年は経っているという事である。新幹線はJRのものだからJRに任せるとしても、首都高速上下水道は今回の選挙に使った600億円でかなりの整備ができたはずだし、それらのインフラ整備はすぐに始めてもオリンピック開催までには遅きに失するほどの事態である。
 景気条項のついた消費税問題や、首相が趣味で始めた『アベノミクス』など、それこそ『法の定めにより粛々と』進めればよい事であるから、今回の解散総選挙は税金の無駄遣いであると、安倍の決定できないだらしなさを争点として攻めるべきであった。(そうしていたら野党はもっと伸びたかも)
 
 まあ、選挙は毎回似た様なものではあるが、意味の無い今回の選挙ほど政治のプロ(政治家)と素人(有権者)の考えている事の違いが見えた選挙は珍しい事である。