今のバイクを買って約2年。

  リターンライダーとしてビッグスクーターのオーナーとなったのが65歳の時であり、その後アメリカンタイプの現在のバイク(ホンダCTX-700)を買った。まだその時は息子のグランドアクシスがあり、近所のお買い物にはそれを使っていた。
  ところが、息子がグランドアクシスを持っていってしまってから、片道2Kmほどあるディスカウントストアーに行くのがとても不便になった。1回だけエコバックを持って徒歩でその店に行き、2個で約15Kgになる園芸用の培養土を買ったが、帰り道ではちょくちょく休まなければならなかった。
 
  そうなると小排気量のスクーターが欲しくなってしまい、各社のホームページを見比べてヤマハのマジェスティS(155cc)がいいなと思う様になってしまった。
  だがしかしである。私は何のために今のバイクを買ったのだろうか。その時の事を思い出してみると、オートマ車に乗る老人の交通事故多発が根底にある。私も歳であり、いつボケが始まるか判らないから、ボケたらアクセルを踏むだけで進んでしまうオートマ車は危険なので、マニュアル車にしようと決めた経緯がある。その決定からオートマ車だったSM-Xを廃車したはずだった。
  あぶない、危ない。不便だからといって、本来の趣旨である『アクセルだけで動いてしまう乗り物は運転しない』という根本のポンを破りそうになってしまった。
 
  そんな意味で、今のバイクは自分を測る乗り物である。今まで3回コケたが、それは右足の痛風の後遺症で、ドスンと足を着く様な止まり方をすると瞬間的に痛みがはしって力が抜けて右側に立ちゴケする。
  倒れればもちろん起こさなければならない。現在のバイクは体力測定器にもなっているのである。よくよく考えてみると今のバイクはベストチョイスだったと思い直し『少々の不便でスクーターを買おうなどとは考えないぞ!!』と心に誓った。
 
  それと、倒れる事を恐れて前2輪のトライク。カンナムスパイダーに目の色を変えてしまった事もあるが、これも自分の体力バロメーターとしてバイクを選んだ本筋に反する考えであった。
  あぶない、あぶない。老化による体力低下は必然的に楽な方を選択する。オートマ車を処分し、マニュアルのバイクを選んだ本筋を忘れるところであった。
  老人が楽な方を選択するならば、不便を承知でチャレンジするうちは、少なくとも心は老化していないと前向きに考えよう。