欲しいな~、骨格模型。

  先日、病気見舞いのお返しを買いに新宿南口の高島屋へ行ったら、その中の東急ハンズに身長120cmくらいの骨格模型が5万円で展示されていた。
 
  女房が背骨を骨折したのでしみじみと骨格模型の背骨をながめてしまった。頚椎は上から7個。その下が胸椎で12個。その下が腰椎で5個。上から順に指でたどって数えてみた。
  女房の痛めた胸椎は、頚椎や腰椎と違って肋骨が前方に伸び、肺を守る円筒状の空間を作っている。そのボックス構造のおかげで圧迫骨折のダメージが少なかったと医者に言われ、骨格模型で納得した。構造的には頑丈そうである。
 
  子供の頃は、理科室にある人体模型が不気味で怖くてどうしようもなく、骨格模型となると、それはもう大鎌を振りかざす死神そのもだった。
  理科は大好きだったし、理科室もワンダーランドみたいで好きだったが、隅の方に人体模型や骨格模型が布を被せて置いてあるので、1人で理科室に入るのは気味悪くて嫌だった。
  だが今は、なぜか骨格模型が愛おしく、裸のマネキンの方が不気味だ。
 
  昔、先輩に連れて行かれた渋谷の飲み屋街の路地に、風でスカートのまくれ上がったマネキンが転がっていた事があり、私は心臓が飛び出るほど驚いた。
  先輩が「○○ちゃん、きょうは寝てるね~」と言いながら店に入ると、店主が『今夜は風が強いから起こしても直ぐ倒れちゃうんだ』と応えていた。だが、立ち飲みで勢いをつけてた私の目には、店の看板娘のマネキンが一瞬死体に見えたのだった。