脳力低下は救急治療の対象にあらず。

  家庭内事故で胸椎骨折をして救急車で病院へ運び込まれ、最初の病院で脳と脊椎のレントゲン写真を撮影された。
  私は、事故の原因はボケの初期症状だから脳の断層撮影を頼んだのだが、レントゲン診断で脳に内出血など無く、救急医療として断層撮影は必要ないと断られてしまった。
  私は最初の病院には数ヶ月待ちにもなる脳ドックがあり、脳の断層撮影ができる事を知っていたから余計に腹立たしかった。
 
  そして、転院させられた次の病院では、最初の病院の診断結果から骨折した胸椎の治療だけが行われた。ただ、最初の病院では第9胸椎の骨折と診断されていたが、転院先のMRIで9、10、11胸椎の骨折であると診断された。
  こちらの病院で脳の断層写真が撮れるかどうか判らないので私は頼みはしなかったが、救急車で運ばれた患者は救急医療の対象ではあるが、病気治療に相当する医療行為は行わないのだという事が理解できた。まあ、ボケ具合をみる脳の断層撮影は命に関わる救急治療ではないから別途申し込めという事なのだろう。
 
  ただし、左後頭部にも大きなタンコブができていたから、頭部を強打している事は間違いないので、意識混濁などが起こらないか医師や看護師からはしつこくほど同じ質問をされたという。もし、脳内に出血があれば時間の経過で同じ質問に違う答えが返るという事である。
  なおかつ、骨折や脳内出血はただちに治療しなければならない事であるが、ボケの初期症状としての脳の萎縮や、以前からある小さな脳内出血は救急治療の対象ではないのである。また、脳に昔からの病変を見つけたとしても、それを回復させる事は不可能だという事実でもある。
  すなわち、家庭内事故が女房の脳力低下で生じたものだとしても、元に戻せるものではないのである。勿論、人体のあらゆる損傷はどんなに治療しても元に戻りはしないという事であり、縮んだ女房の背丈が背筋強化で戻るわけではなく、身長低下をいかに少なくできるかにすぎない。
 
  まあこんな事を書いたのは、女房が健康になるに従い少々厄介になってきているのである。体を動かさない様にしていた3ヶ月間は私の家事に文句も言わず感謝すらしていたのだが、自分が動ける様になると文句を言う様になった。そして、文句の中に爪が立ってきたのである。
  それと、断層撮影を含んだ脳ドックを夫婦で受け様という相談には、頑として同意しない。知っておけば後日のためになると考えるのだが、拒否を続けるのは女房自身かすかにボケを感じているのかもしれない。
 
(ファン限定の『大人の話』にもブログアップしました)