神経は伸びにくいから切れる事がある。

 まだ私が20代の頃の話しだが、送信機の上にプラスドライバーを置いたまま、床に広げた図面を見るために床に四つんばいになった。すると、何のひょうしか?送信機の上のドライバーが落ちて、私の右手の甲の真ん中付近に落ちた。ひどく痛かったが骨は折れていないみたいなので、簡単に手当てをして痛みをこらえながら作業を続けた。
 翌日にはほとんど痛みも無くなったが、人指し指に違和感が残った。そして、作業するうちに気づいたのは、人指し指がほかの指より遅れて動くという事だった。その日は指を動かすとまだ多少の痛みがあるので、その痛みのせいで指を動かしづらいのだと思っていた。
 
 ところが、完全に痛みが無くなっても人指し指はほかの指よりも遅れて動く。それと、指先の感覚が鈍い事に気づいた。その時(ヒョットすると神経が切れたのかも)と思い、グーパー・グーパーと手を握ったり開いたりしてみた。
 すると、手を開いても人指し指は反り返らずに、わずかに内側に曲がったままだった。手を握っても人指し指は拳の指の中に整列できずに少し浮いている。人指し指の動きはほかの指につられて動いている様に見えた。
 
 だが、その症状も数ヵ月後には消え、いつしか自分の人差し指に戻っていた。後日知った事だが、神経は伸びにくいので、時に衝撃などで切れてしまう。ところが、神経を絶縁体の様に覆っているスリーブ細胞が切れていなければ、神経細胞細胞分裂でなく、徐々にスリーブ細胞の中を育っていって神経伝達が回復するらしい。そのおかげで、私の右手の人指し指も回復したのだと思う。
 
 そういえば、長年苦しんだ腰痛をカイロプラクテックの名人に治してもらった時、腰骨の上の背骨を何個か回転させたので、神経経路の長さが変わったらしく坐骨神経痛が出てしまった。
 その痛みも約2年で無くなった。神経が徐々に伸びたのか?背骨が腰痛のあった頃に戻ったのか?どちらか判らないが、腰痛が再発していない事から考えると伸びたのだと思う。