私を苦しめる過去の記憶。

 私は勉強が大嫌いでしたので高卒で就職しました。これで勉強ともおさらばできるとマジで思いました。ところがどっこい。実社会では資格が必要です。それこそ、業務命令で取得しなければならない資格もあったのです。(勉強からは逃れられませんでした)
 
 また、実社会は実務を叩き込みます。しかし、1度教えられた事をまた聞くわけにはいきません。まあ、1回くらいの聞き直しは苦笑して教えてくれるでしょう。でも、2回聞くと『あいつは駄目だ』と馬鹿の烙印を押されてしまいます。
 そう。実社会は1分1秒のすべてが試験で即評価されます。学校の様に追試も無いし、落ちる時は一気に落ちて馬鹿の評価がつき、汚名返上の努力はいくら積み重ねても認められにくい世界でした。(大学の方が楽だったでしょう・でもいずれ実社会には出ていかなければなりませんけど)
 
 馬鹿でも馬鹿にされれば悔しいし、腹も立ちます。だから、頭の悪い私は失敗の記憶だけでも覚えておいて、同じ失敗を繰り返さない様にしました。
 今の私の頭には、そんな失敗の数々が折り重なっているのです。そして、この歳になっても失敗の記憶がよみがえり、思わず『人生は辛いな~』とつぶやいてしまったり『ハァー』とため息をついてしまいます。
 
 ところが女房はため息が大嫌いで、私がため息をつくと「何かあったの」と聞いてきます。私が過去の失敗を思い出してため息が出たというと「今に関係があるの?無ければ時効!!」と言います。
 まあ、当然の事ながら過去の失敗で現在が揺らぐわけでもないし、些細な事なので謝ってみたところで相手も忘れているでしょう。迷惑をかけた先輩の中には亡くなった人もいるはずです。
 でも、自説を曲げず妥協もしないという愚かな行いで、人様に迷惑をかけた事が自分で恥ずかしいのです。