ヒョンな事で蘇る古い記憶。

 1月9日のブログ『老化で私が不自由を感じる事』のFUMUFUMU様のコメントから子供時代の虫歯の事を思い出しました。こうして何かキッカケが無いと子供の頃の記憶も出てこない内蔵助ですから、一時ブームになった自分史に挫折したのは当然だっだのです。
 
 治療した歯や、欠けた歯はありますが、私の歯はすべて自分の歯です。ところが、乳歯はずいぶん虫歯になり、母からは『お兄ちゃんと違い歯磨きのできない子』と言われました。でも、長兄が育ったのは戦時中で砂糖がなかなか手に入らない時でした。私の育ったのは戦後にララ物資などで砂糖が大量に入り、米の代わりに配給された時代です。
 母はその世相を考慮せずに、私は歯磨きが嫌いで虫歯にする悪い子と決め付けていました。たしかに半分は当たっています。私は歯磨きが嫌いでした。それは、まだナイロンなどの化学繊維の歯ブラシができる前だったので、歯ブラシの毛は豚毛でした。それを口に入れた途端の豚小屋の臭いが嫌で歯磨きをいい加減にやっていました。
 
 歯磨きの嫌いだった理由は歯磨き粉にもありました。私の最初の歯磨き粉は荒塩でした。そのうち、瓶に入った粉末の歯磨き粉を使う様になりましたが、香つきの粉石鹸みたいで好きになれませんでした。チューブ入りの練り歯磨きを使う様になった頃には、私の歯も永久歯になっていました。また、豚毛の歯ブラシもナイロン製になっていました。
 
 
 それからヒデ坊様のブログを読んだ時には、子供に『何で勉強しなきゃならないの』と質問された時にヘドモドした事を思い出しました。
 私が子供に言ったのは『お父さんは勉強が嫌いで高校を卒業して就職した。そうしたら実社会は毎日が勉強で1秒1秒が試験だった。』
 それから『学校の試験なら追試などで何とかなるけど、実社会での失敗はリカバリーにすごく時間がかかる。こんな事なら大学に行けばよかったと思ったよ。』と言ってしまったのです。(ダメパパですね~)
 
 それから10年ほど経った時に、カーラジオをから『大人になると新しい事を覚えなきゃならない事があるけど、勉強しておかないといつも初めから勉強し直さなきゃならない』と言うのを聞きました。もっと早くこれを聞いていたらヘドモドせずに答えられたのにと思いました。
 それと、あの時の私には自分の状況が重なっていたのです。真空管で育った無線屋に半導体の波が押し寄せ、電圧増幅と電流増幅の違いやブラックボックスのICなどなど。学ぶべき事は次から次へと押し寄せてきていました。(新技術に追いつけね~)
 
 子供って、好きな事なら一生懸命やります。子供の成長期に我が家にパソコンが入り、ノートパソコンを買い換えるたびにお古が子供達に回りました。そして、子供達がゲームばかりやるのに困り果てました。
 OSがMS-DOSでフロッピーディスクの時代でしたから、私がゲームFDのファイルを消したり、ファイル名を変えたりして意地悪をしました。それを解決できない子は化学の道に進み、対処した子はSEになりました。
 子供には私の職人的性格を品種改良してほしかったのですが、子供達も専門馬鹿の職人的性格です。(残念)