ベラドンナちゃんで生じたメーカー不信。

 私は長時間乗る事は少なく、ほとんどは家を出て2時間程度で戻ってきていた。それでも、年に1~2回は5時間程度に及ぶロングランで、小河内ダムや正丸峠、あとは山中湖くらしか行った事がない。
 ベラドンナちゃんの不具合は冬場には起きなかったのだが、夏場のロングランで初めてECUが働かなくなり、その数日後にホンダドリーム西東京へ相談に行ったら『症状が出ている時に持ち込んでください』と言われた。ECUの故障ではないかと重ねて聞くと『ECUの交換には作業料込みで9万円ほどかかります』と言われたのであきらめてしまった。
 
 私はECUのチェックくらいは出来るテストベンチがあるだろうと思っていたので、交換でしか正常性のチェックができない事に驚いた。(たぶん壊れにくいからそんな設備はないのだろうと考え直した)
 ECUが働かなくなる原因として考えられるのは、完全な故障か熱暴走だがベラドンナちゃんは冷えれば回復するので熱暴走だと推測した。
 今になって考えれば、メーカーに温度で色の変わるシールが用意されていれば、ECUに貼り付けて何度まで温度上昇したかが確かめられたと思う。そうすればアルミで放熱板を作ったかもしれない。とにかく、ECUは高価な部品なので無条件で交換する事には躊躇してしまった。
 廃車依頼をした後で、ヒデ様から『ベラドンナちゃんが業オクに出品されている』と聞かされて、いつもより重症だったのに、あれでも回復したのかと驚いた。
 
 話はベラドンナちゃんから外れるが、カーセンサーで人生最後の車を探している時、ベンツのSLKを見て回っていたら、あるお店ではテスターを取り揃えて自動車のコントロールユニットを検査していると書かれていた。
 バイクのECUもすべてをコントロールするのならば、そんな作業も必要だな~と感じた。車両の電子化が、車検整備をするプロにも手出しのできないブラックボックスとなってしまった事に不満と不安を感じている。
 
追伸
 思い出した。仕事でディーゼル発電機を保守していた時、古い発電機の軸受けには温度監視の警報器は無く、新しい発電機にはバイメタル式の温度警報器が付いていた。その後、温度によって色の変わるサーモテープが発明されて、発電機の軸受けだけでなく送信機にもそれを貼る様になった。
 サーモテープをネットで調べたら、今は様々な用途に色々な形のサーモテープが売られていた。もっと早く昔の仕事の事を思い出していたらベラドンナちゃんの運命も変わっていたかもしれない。多分、アルミ板を曲げたり切ったりして放熱板を作っていたと思う。