安倍首相。原発売り込みだけに力を入れるな。

 東日本大震災福島第一原発があれほど壊滅的破壊を受けたのだから、日本の原発の安全性はこれから2段も3段も進歩するはずである。
 だが、現代は製造者責任を厳しく問うのが常識となっている。日本の原発の売込みにもその考え方を持ち込むのがベストであろう。すなわち、建設だけでなく解体技術も向上させるべきである。
 
 これから、日本は40年以上もかけて福島第一原発を解体し、原発跡地を無害化しなければならない。原発の解体は無事故の原子炉であっても40年の歳月は必要だと言われている。その時間は、1人の技術者の技術者人生と同じ永さなのである。
 すなわち、解体中に技術を若手に教え、若い技術者には新しいアイディアを生み出させなければならない。もっと困るのは解体時には建設した技術者がいないという事である。
 それは、クリントイーストウッドの映画『スペースカーボーイ』と同じなのだ。すなわち、昔の技術は若い技術者には判らな事があるのだ。
 
 福島第一原発事故以来、大学の原子力関係の学部に入学する生徒が減少しているという。ならば、原子力部門に進む学生の授業料を免除するとか、奨学金を出して卒業後に原子力関係の仕事に就いた場合は奨学金の返納を免除すとか、種々の施策をとるべきである。
 今後の日本は『原発解体大国』になるべきである。今は福島第一原発の解体が急務であるが、そこで解体技術を学び進歩させれば全世界の原子炉の解体工事を請け負う事ができる様になる。
 
 あらゆる現代技術の最大の欠点は、造る事よりも安全無害に解体する事の方が困難であるというところにある。まして、技術者の人生と等しいほどに時間のかかる原発の解体工事は、日本の産業として成り立つ可能性があるし、日本国内の原子炉解体にも必要な技術なのだ。