皮肉を込めて『オリンピック招致成功おめでとう』

 2020年のオリンピック開催地が東京に決定した。はしゃぐ関係者などの姿が流れるテレビ画面を、私は冷ややかに眺めた。
 特に安倍首相のはしゃぐ姿に『3つ目の重荷を背負い込んでしまって大変だね』と思ってしまった。
 
 現在の日本は福島第一原発という重荷を背負っている。これを安全に無害化する事は国際責任であり、それは人類への無言の公約でもある。オリンピックはそれよりは軽いものの、子供にも判ってしまう国際公約である。
 そして、2020年のオリンピックは、福島第一原発の処理の進捗状況が世界に報道される年にもなるのだ。すなわち、オリンピックに集まった世界中の報道陣が、オリンピック終了後に福島第一原発の現状を取材するだろう。
 願わくば、それら報道陣を防護服無しに発電所の敷地境界まで近づけるくらいの対処は済ませてほしい。
 
 オリンピックは、その時点の繁華街での客引きから、福島第一原発まで日本のすべてが世界に晒される時である。小は石原前都知事の進めた歌舞伎町の浄化から、大は福島第一原発まで根気と税金と、そして情報の開示を余儀なくされる事になるのである。