私が原発に反対する根拠。

 NHKの孤独死にかかわっていて6月28日のブログ『原発に反対する若者の意見』で片手落ちになっていた私の原発反対根拠が今日にずれ込んでしまいました。ごめんなさい。
 
 働いている時は労働組合の活動で核兵器核兵器に転用できる核物質生産の原発に反対しました。まあ、労働組合の総意としての反対で、自分では深く考えていませんでした。でも、労働組合の仲間には原発建設に携わる建設業界の労働組合も電機業界の労働組合もあったのです。
 当時の話ですが、原発には広島型原爆なら500個くらいは作れる核燃料が使われていると言われました。世界の核保有国が大気圏内核実験を行っていた時代でしたから、核兵器廃絶と原発反対は切実な問題でした。
 
 歳をとった今、私の原発反対理由も昔と変わりました。反対理由の第1は、核廃棄物保管の欠点です。とにかく、放射性物質半減期は長すぎます。セシウム137で30年。プルトニウム239で2万4千年。長い物では10億年以上もかかります。
 そんなに長い間、人類は原発廃棄物を安全に保管できるのでしょうか。我々はわずか4~5千年前のヒエログリフも読めなければ、マヤ文字も読めません。数千年で英語も変わり、日本語などは消滅してしまうかもしれません。今でも私はパソコンで使われるアイコンの絵の中に意味の判らない物があります。放射性廃棄物が危険である事をどの様に後世に伝えるつもりなのでしょうか。
 
 反対理由の第2は、原子力発電所の寿命です。現在、法的には40年と定められていますが、原子炉の状況によっては延長も認められるとされています。
 しかし、核廃棄物の保管の長さに比べれば、原子炉の稼働時間は短すぎ、非常にコストパフォーマンスの悪い発電方法であります。その他の発電方法に比べると解体にも時間がかかり非常に効率の悪い発電方法です。勿論、解体された原子炉の金属類は直ぐに溶かして流用できる物ではなく、放射性廃棄物と同様に管理されなければなりません。
 
 トータルで考えると、原発は非効率的な発電方法との結論しか出てきません。しかしこれは倫理と同様で、実生活の理屈の前では何の意味もなく、食うための理屈の前では何の説得力も持たないのです。
 人間は明日の健康よりも今日の飽食を必ず選択するのが哀しい現実で、日本の電力施策だって電気・電器・電機業界を育成するために電力消費を拡大させたのです。すべては国民を食わせるために国家が国策として実行したものなのです。