オリンピックだからって何でもアリじゃあいかん。

 常日頃から各地の首長共が『カジノ解禁』を画策していたが、2020年に日本でオリンピックをやるから、この際カジノを合法化してしまおうというのは悪乗りが過ぎる。
 首長は選挙で選ばれた人間だ。すなわち『選良』である。カジノが本質的に善であるのか悪であるのかくらいの峻別はできるだろう。本質が悪であるものを合法化する場合は、それが本質的に善か悪か。本当に必要なものかどうかを充分に考えなければならない。
 
 2020年のオリンピックは『大震災からの復興』というスローガンを掲げて、日本全国から世界まで巻き込んで権利を得たが、東北の被災者が心から喜んでいるわけでないのはニュースでも流された。
 被災した方々は、全国の人達が望むならと苦渋の思いでいるはずだ。日本人は全員一致の決議が好きだが、首長も国会議員も『大震災からの復興』というスローガンに被災した方々が同意できないでいるのは判っていたはずだ。
 
 それでは、オリンピック招致は何のためだったのだろうか。それは簡単な事である。私は度々『外国を敵にする政治手法』の悪さについて書いてきた。その本質は国内政治の悪さから国民の目をそらさせる姑息な政治手段なのである。震災後のオリンピック招致も国民の目を震災や原発事故からそらす政治手法であったのである。
 オリンピック招致はその様な政治家の邪心から始められたものである。そこに、さらに本質的に悪である『カジノ』を合法化しようとするのは許される事ではない。まして、税収が低下しているなどの理由にならない理由をつけるのは、政治家自身に知恵の無いのを自ら公表している事になるのだ。
 
 皆さん。選良の嘘に騙されないで下さい。『カジノ』はオレオレ詐欺と違って何があっても法律で罰する事はできないのです。また、1度『利権』が発生すると、その利権を手放させるのは、その利権にうま味が無くなるまで不可能なのです。