日本にカジノはいらない。

 2020年の東京オリンピックに向けて、各地の首長や国会議員がカジノ解禁誘致論争を繰り広げている。税収不安のある地方の首長はカジノに税収の伸びを期待し、国会議員は政治献金など別の面の増加を期待する。
 
 しかし、カジノは巨大アミューズメントであり、運用のノウハウは日本にないので、アメリカのカジノ資本が日本に入ってくる事になる。結局、一番儲けるのはアメリカのカジノ業者である。
 そして、日本は治安やカジノのインフラ整備に多額の税金を支出する事となる。まあ、庶民からすれば治安の悪化が一番気になるが、地方も国家も議員達は税収などのメリットばかりを叫んで、国民だけでなく自分をも騙している。いや、カジノ騒動に酔っていてデメリットに目を向けない。
 
 治安の件を言ったからついでにもう一歩踏み込むと、当然ながらカジノは自主組織のガードマンを雇う。すると、カジノはカジノ内でのトラブルに警察官を入れないという事態が当然ながら生じる。すなわち、カジノが治外法権状態になるのである。
 これこそが、周辺の治安悪化よりも悪い事は明白である。地方にしろ、国家にしろ、議員達は『法整備で対処可能』と叫ぶであろうが、それが通用しないのを我々は原発で体験済みである。
 本来的に、組織と
は組織防衛を図るものである。そして、その様な事態が生じた場合には『法に不備があった』と涼しい顔をし、カジノを推進した人間は責任はとらない。これも、原発事故の対応をみれば判る事である。
 原発自民党の国会議員が推し進めた政策なのに、いまだに政治家はだれ一人として責任をとっていないし、法整備に手も付けていない。カジノでも必ず同じ様になるのは明白である。
 
 私は、一部セレブが遊ぶためのカジノには絶対反対である。第一、現在のカジノ構想は日本的でない。そんなに賭博で外国人の関心を引きたいなら、現代のもっとも日本的な賭博であるパチンコをやらせればよい。
 『不思議の国』日本には、町中に自動販売機という金庫が並び、パチンコという賭博が堂々と開帳し、20歳以上なら余計な手続きなど無しに遊べる。
 手軽な賭博のパチンコを外国人に体験させれば、パチンコマシンは世界各国に輸出され外貨を稼ぎ出すであろう。そして、輸出すれば日本国内での治安の強化やインフラ整備の重いツケを払わなくて済む。
 しかも、パチンコは小資本で始められるので、巨大カジノ資本の隠然たる支配の危険など生じない健全な娯楽だと思う。
(賭博を娯楽という日本人の曖昧さもまた不思議の国日本である)