なぜ今、在日韓国人、在日朝鮮人を排斥するのか。

 結論から言えば、それは『歴史的無知』だからである。
 
 イギリスにはインド系イギリス人が多い。理由は、インドがイギリスの植民地だったからである。
 現在の在日韓国人在日朝鮮人も、日本が朝鮮半島を植民地としていた時に、3K(きつい・汚い・危険)労働に従事させるために日本に来たり、連れて来られた人々の末裔である。
 なおかつ、天皇の臣民とするために『創氏改名』を行わせ、日本風の氏名にしたのだ。だが、日本に定住し子供をもうけても、日本の『国籍の血統主義』の前では在日韓国人在日朝鮮人の子供は韓国国籍または北朝鮮国積である。
 
 現在、新大久保で行われている『ヘイトスピーチ』であるが、国旗や旭日旗を掲げて気勢を上げる者の中に、歴史的事実を知っている者がどれほどいるだろうか。多分、皆無と言ってよいのではないだろうか。
 要は、デモなどを計画する者は末端組織の人間であり、上部組織から行動を指令されて動いているのだ。ゆえに、その行動を認めてもらうには行動がより過激化する危険性をはらんでいる。
 
 さて、どこに日韓・日朝の根本的問題点があかといえば、植民地にされた歴史を持つ韓国と北朝鮮では、歴史教育で詳しく教えるが、日本では近現代史をほとんど教えない。ゆえに、在日韓国人在日朝鮮人が何ゆえ日本にいるのかすら理解していない。
 だからこそ、ヘイトスピーチに扇動されてデモに参加し、時に過激な行動に出る。哀しいかな、それが自分の愚かさに由来する事も判らないのだ。
 
 だが不思議である。第二次世界大戦後の世界はグローバル化の方向で進んでいた。それなのに、最近は中東で民族主義が台頭し、極東やその他の地域でも隣国摩擦が増えている。
 先に経済のグローバル化が進み国家間の経済格差が生じたために起きたフラストレーションの増加による一時的なものなのだろうか。
 外国を敵にする事で国内問題から目をそらそうとして、国粋主義を煽る上部の人間の手先として無駄に検挙される必要も無いだろう。人の意見に左右されるのではなく、歴史の経緯を考え、現在が過去の結果である事を認識しなければならない。それが生きた勉強というものである。