お金持ちの先輩と後輩。

 私よりも10歳ほど先輩に旅行好きの人がいました。春には北海道にウニ丼を食べに行くなどヒョイヒョイと旅行をするので、私は『旅行好きだな~』と思っていました。ところが、その人はバリ島にもコンドミニアムを所有していたのです。
 海外に資産を持っていると聞いて、私はビックリしてしまいました。子供のいない人でしたので、いつかどこかで人生がふっきっれていたのかもしれません。
 
 私の約10歳年下にお金持ちの後輩がいました。これは本人がお金持ちなのではなく、父親がお金持ちで世田谷区の億ションに住んでいました。有名観光地に1戸建ての別荘を持ち、退職後は数ヶ月かかる世界クルーズに夫婦で出かける様な親でした。
 その後輩。普段は親と別居しているのに、親が世界クルーズに出かけると女友達を親の億ションに呼び、遊び呆けていました。そして、お目当ての彼女と結婚すると長期ローンを組んで豪華な家を建てました。
 勿論、親が死んだらローンは一気に返せるのを目論んでの事でした。
 
 この事から私は学びました。男が70歳を過ぎると有名観光地に別荘があっても、海外にコンドミニアムを持っていても、遊びに行くのが億劫になるという事です。下手をすれば別荘が終の棲家になるかもしれませんし、コンドミニアムは意図せぬ国外脱出になるのかもしれません。
 別の学びとしては、豊かである事が必ずしも親子関係の円満につながらない事です。ヒョットすると、子供の遠い視線は親の死後を見ているかもしれないのです。
 
 そして今、キプロスの経済不安がユーロ圏を含めて世界の耳目を集めています。キプロスはユーロの支援を受ける条件の自己資金捻出のために預貯金の元本に約20%の税金をかけようとしています。すなわち、信用して預けたお金が減るのです。
 そのため、現在のキプロスでは口座の解約に応ぜず、1日の引き出し額を100ユーロに制限するなどしています。
 昔は海外のコンドミニアムで老後を過ごすのを意図せぬ国外脱出と思いましたが、海外資産と海外口座は、日本が政情不安になった時の脱出先には良いかもしれません。