自動車は雪に意外と弱い。

 今日、草津から帰ってきました。草津では昨日の夕方から雪が降り、ノーマルタイヤだったので積もると嫌だなと思っていましたが、積もったのは草の上や木の葉の上だけで路面は濡れただけですみました。
 4月上~中旬は新学期が始まるのと、下旬にはゴールデンウィークが始まる行楽の狭間なので、宿泊料金も安くて私には都合の良い時期です。
 
 私は40歳の頃に群馬県で仕事をしていました。群馬県の平地はほとんど積雪はありませんが、新潟県に接する北の山地や、長野県に接する西の山地は有名なスキー場もある積雪地域です。
 また、避暑地で有名な軽井沢は長野県にありますが、北軽井沢や南軽井沢と呼ばれる別荘地のほとんどは、実は群馬県なのです。
 ある年の冬。不動産業者が俗に北軽井沢と呼ぶ地域にある無線局に行きました。道路にはすでに数十cmの雪が積もり、途中からはパジェロの4輪すべてにチェーンを巻いて無線局に着きました。夕方からまた雪になり翌朝には雪がバンパーの高さを越えるほどに積もりました。
 
 パジェロに乗り込んで発進しましたが、バンパーが雪を押して堰となり、それが障壁となって僅かな上り坂を上れませんでした。そうなると、圧雪されているメイン道路までは雪かきをするしかありません。100m程度の取り付け道路の雪かきを2人でやって、パジェロを圧雪された道路に出した時には午後になってしまいました。
 この周辺には戸建ての別荘もありますが、冬はほとんどの別荘が閉ざされています。それはそうでしょう。働き盛りだった私だって、その日の雪かきには閉口したのです。運悪く、別荘にやってきた日に雪が積もっていたら、別荘の玄関まで雪かきをしなければならないのです。若い時ならともかく、歳をとったら冬には来れなくなってしまうのです。
 
 3月25日のブログ『お金持ちの先輩と後輩』に書いた後輩の父親は、熱海の山の上にある南箱根ダイヤランドに戸建ての別荘を持っているのに、70歳を過ぎたら行かなくなってしまいました。
 熱海からは峠を一つ越しているので、閑静で良い所なのですが、近くに商店はありません。若い頃は不便とも思わなかった別荘でも歳をとったら、雨が降っても風が吹いても別荘に閉じ込められ、晴れても生活に必要な買い物も不便という陸の孤島に変わってしまったのです。
(老齢の別荘の不便さは伊丹十三の映画『お葬式』にも語られています)