迷走民主党政治は中東の政治不安と同じ。

 菅と小沢の対立で民主党政治が党内不和で揺らいでいる様に見えるが、私は日本の政治不安も、根っ子は中東の政治不安と同じだと思っている。
 インターネットによる情報発信の自由化は、従来の権力者側による情報統制のタガが外れた事であり、昔なら噂だろうとしか思われない情報も広く流れるようになった。
 昔でも、噂はそれを望む人々に行動を起こさせるキッカケとなった。関東大震災では『朝鮮人が井戸に毒を投げ込む』との噂が広まり、朝鮮人識別に教育勅語を言わせて、スラスラと答えられない者を朝鮮人と判断して殺したという。
 かように、たとえ間違った情報であっても、情報にはそれを望む者に行動を起こさせる力がある。それと同時に、情報発信の自由化は人間の持つ『大同よりも小異にこだわる』性質を明らかにした。
 中東で起こっている政治不安は行動を誘発した例であり、日本の政治不安は小異にこだわる揺らぎの例である。だから、たとえ民主党自民党が大同団結しても、よほどカリスマ性のあるトップか、金で周囲を屈服させられるトップでない限り上手くは行かないだろう。
 第一、今の政治の混乱の原因を、従来の政治土壌で育った政治家は理解できなから、小異にこだわって混乱する政治を収束させる手段など考えつくわけはない。悪くすると10年くらいは政治混乱が続きそうな気がする。
 今は政治体制の変革ではなく、情報化時代における政治土壌が醸成される直前の混乱期なのだと、私は感じている。