100%は100%。

  女房はよく『あなたと違って私は常に100%で仕事をしている』と言う。私も女房のこの言葉は認めていたが、今回の怪我で少し考えが変わった。現在の女房は頭を打ったせいか、怪我をする前の80%くらいに脳力が減った気がしてならない。
  だから、怪我をした後にも女房が100%と言うと、内心では「80%の脳力で100%の努力をしても、以前の80%にしかならないだろう」と思ってしまう。
 
  先日の夜には、化粧落としの洗顔後の手洗いで、泡立てた石鹸を長袖の下着の袖にまで塗りつけてしまった。その時も台所の照明は点けずに、背後の居間の照明で化粧落としをしていての失敗であった。
  この失敗は、背後の居間の薄暗い明かりで化粧落としをしていての失敗である。厳密に言えば、この失敗が頭を打って脳力80%での失敗なのか、幼少期からの習慣による失敗なのか判別はしづらい。
 
  とはいえ、いずれにしても怪我をする前よりは脳力は下がっており、100%の努力をしても怪我をする前の100%には達しない。
  しかし、1つしか脳の無い人間には自分の脳力が低下したかどうか、自分自身では気づかない事が多い。本人が『アレ?』と気づくチャンスは、できていた事ができなくなった時くらいである。
  私の今の目標は女房の脳力を元通りに戻す事である。できれば女房にはCTやMRIで脳の画像も撮ってほしいが、女房が同意してくれない。また、医者にも脳の方の心配をしてほしいが、整形外科の医者は脳には無関心である。自主的に脳検査を受ければよいのだが、女房をどうしても説得できない。

(女房はこのままボケてしまうかもしれないという不安が拭えないでいる)