受益者負担と原因者負担は同じ考え。

 受益者負担というのは、何かを行う時の経費はそれにより利益を得る者が経費を負担するという原則です。
 
 民主党が政権に就いた時、高速道路料金をゼロにすると言いましたが、私は『受益者負担の原則』に反するこの公約に反対でした。高速道路の維持管理にかかる経費は高速道路を利用する者が負担すべきです。
 受益者負担という考え方は多くの人の納得を得られます。それは、利益を生む時の負担だからだと思います。
 
 しかし、何らかのアクシデントで経費負担をしなければならないとなると、原因者はナンノカンノと言い訳をコネて経費の負担から逃れ様とします。
 それは原因者負担というのが損失ばかりで利益を生まないからです。
 
 この心の反応は『権利と義務』の構図に似ています。誰しも権利は声高に主張しても、義務の履行には消極的になりがちです。しかし、権利の主張というのは、義務の履行という裏打ちがあって主張できるのではないでしょうか。
 
 でもネ~、私だって心の片隅には『得はしたいけど損はしたくない』とか『苦よりは楽を選びたい』とか『権利は主張しても義務は背負いたくない』と思います。
 そんな自堕落な心を抑えているのは『己の欲せざるところ人に施す事なかれ』と、民主主義の根本原則である『自分と同じ権利は他人にもある』という考えからです。