イージーミスとケアレスミス。

 私は自動車を6台乗り換えてきたが、トヨタ車に乗った事は1回もない。それは、トヨタオートマ車への対応が早く、大衆車にマニュアル車が少なかったからである。
 その昔、トヨタマニュアル車をラインナップに加えない理由を聞いた事があった。すると『シフト操作を無くす事により運転に集中できる』との返事だった。後年、ホンダにも同じ事を聞いたら同じ様な回答だった。いま、その他のメーカーに聞いても同様の回答だと思う。
 
 そして、これがメーカーの嘘である事は明白である。なぜなら、オートマチック車のイージーミスによる事故が相次ぐからである。
 駐車場での突き破りや転落事故などはオートマ車に由来するイージーミスである。マニュアル車であれば、あの様な事故は起きなかっただろうと私は考えている。
 
 人間は状況によってはケアレスミスを犯す。しかし、ケアレスミスはイージーミスよりはましだと思っている。なぜならば、イージーミスは考えていない事によるミスであり、ケアレスミスは一時の失念だからである。
 多くの場合、ケアレスミスは処理しなけばならない情報が多すぎたのか、1つの情報処理に気を取られて失念したしたので、考えていないのとは根本的にちがうのだ。
 
 本質的に人間は怠け者であるがゆえに手抜きをする。また『習い性となる』という言葉もある様に、慣れた作業はあまり考えずに行う事がある。そして、それが時にイージーミスを誘発する。
 安全のために補助機能を強化する事は、人間に頼る気持ちを起こさせ、怠け心を誘う事がある。そして、それが本来あってはならない注意義務を怠らせる事になるかもしれないと思う今日この頃である。