不思議な北朝鮮の軍事パレード。

 ニュースに流れる北朝鮮の軍事パレードでいつも不思議に思う事がある。それは、歩兵の小銃の銃口に30cmくらいの白い筒先カバーが付いている事である。あれは何なのだろう。何の役目を果たすのだろう。何より見た目の格好が悪い代物である。
 
 私は職人的感覚から、実用性に優れた物に美を感じてしまう。たとえそれが武器であっても美を感じる。日本刀の反りや波紋にそれを感じ、小銃や戦闘機にも美を感じてしまう。
 それだからこそ、北朝鮮の歩兵が持つ小銃に被せられた不細工な白い筒先カバーが気になってしまう。
 
 そして、よくよく考えてみた。北朝鮮の指導者と呼ばれる支配者達は兵士を信用していないのだ。多分、あれは軍事パレードの最中に起こる暗殺を恐れているのだ。あの筒先カバーは不意の狙撃をできなくしてるのだ。もしかすると、無理に外すと爆発する様にできているのかもしれない。先端の不細工な膨らみがそれを思わせる。
 そういえは、エジプトのナセルが暗殺されたのは軍事パレードの雛壇であった。そう考えると、北朝鮮の軍事パレードで支配者達が高いベランダに立つ。なおかつ手すりのあの厚さも高さも納得がいく。
 
 下方から上方を狙っての狙撃は難しく、行進中に狙撃体勢をとって銃口を安定させて引き金を引くまでには、どんなに訓練を重ねても4~5秒はかかる。その間にベランダの支配者は後ずさりをして手すりの陰に隠れる事ができる。
 北朝鮮では、小銃の筒先カバーが無かったとしても、軍事パレードの最中での暗殺はできない。だが、支配者は小銃に筒先カバーを取り付ける。多分、爆発する筒先カバーを。