ナイフで切れない飛行機。

 10月13日にNHKの爆問学問で『JAXA調布航空宇宙センタ』の紹介をしていた。新素材として炭素繊維の機体の研究も行っており、ジュラルミンより軽くて強いというが、心配性の内蔵助はまた悩んでしまった。
 
 兵隊は大きなナイフを持っている。自分を守り人を殺すのに使うが、撃墜された輸送機の外装のジュラルミンを切り裂いて外に出るためにも使う。ジュラルミンだけでなく鉄線だって切る。戦場に敷設された鉄条網の針金を切らなければならないからだ。
 しかし、炭素繊維の外装は切り裂けるだろうか。腕の力だけで切れずに、外装に当てがったナイフの背を何かで叩いて切り裂こうとすれば、その音で生存兵のいる事が敵に判ってしまい、安価な対戦車ロケット弾(RPG-7など)で皆殺しにされるだろう。
 
 まあ、普通の人ならナイフで飛行機の機体を切り裂く経験など無い方がよいし、私にもそんな経験はない。ただ、地方出張の時に缶詰をナイフで開けた事はある。自分の手を切らないためにはある程度の腕力が必要であり、缶詰の端を切り開くには缶が倒れない様にも気をつけなければならない。
 ただし、使ったナイフはファイティングナイフではなく、電気工事用の不細工なナイフだった。若い頃に、あまりにも切れないからせっせと研いだ事がある。すると先輩から『絶縁のビニールが切れりゃいいんだ。切れすぎると電線に傷が付き何年かするとそこから折れるぞ。』と注意された。