私の家の上は軍用機が飛ぶ。

  神奈川県、東京都、埼玉県には米軍基地や自衛隊の基地が点在する。そして、このエリアの空はほぼそれら軍用機の飛行エリアとなっている。だから、時々軍用機が飛んで行く。
  戦闘機や戦闘ヘリやオスプレイはあまり目にしないが、後方支援の普通の形に近いヘリが
飛ぶ。時に後方支援ヘリの機体下に物干し竿の様な長いパイプの付いた機種を見る事がある。
  後方支援ヘリとはいえ、多分、あれは戦車の装甲を貫通できる劣化ウラン弾を発射できる対戦車砲だと思う。
 
  銃器は薬莢の中の火薬を燃焼させ、その圧力で弾丸を加速させる。銃身が10cmにも満たない拳銃の弾は銃身からすぐ飛び出てしまうため秒速200mくらいでしか飛ばない。銃身が50cmくらいの小銃になると、弾は音速の1、5倍以上になる。
  比重の高い劣化ウラン弾を音速の数倍に加速するためには長い銃身が必要となる。多分、後方支援ヘリの下の物干し竿はその銃身だと思う。うちの上はそんな物騒な物が飛んでいるのである。
 
  そういえば、家の近くを通る五日市街道は、昔あった立川基地から都心まで、戦車が走れる様に特別舗装されていたという。普段は気づかないし考えもしないが、空も地上もそれとなく軍用目的の意図があるのだろう。
  安保が改悪されたら、我が家の上はもっと物騒な物が飛び、道路にも物騒な物が走るんじゃあないだろうか。
 
  時に、富士山の周遊道路を走ると、自衛隊車両が延々と連なって走っているのとすれ違う事がある。先頭車両が老い番を付けて、1台ごとにその番号が減っていく。だから、何台連なって走っているのか直ぐ判るのはよいが、カーキ色の車体を眺め続けると気が滅入ってしまう。
 
  私はヨワッピーだから暴力集団が嫌いだ。だが自分に力があったら暴力は好きだ。みんな知っている事だが、他人にいう事をきかせるには暴力が一番コストが安い。そして暴力には類友が簡単に集まる。人間は一番進化したから狡猾な獰猛さも一番進化している。
(私の中にもジキルとハイドの人格のあるのが恥ずかしい)