豆が好き。

  縞模様が面白いので、とら豆は1回煮た事はありますが、それ以外は小豆ばかりです。小豆なら出来上がるのはアンコですから、焦がさない限り失敗はありません。それに、アンコは餅でも半殺しでもうるち米でも、米との相性がよくて食べ飽きる事がありません。
 
  そして今回、初めて黒豆(黒大豆)を煮てみました。前の晩からまん丸の黒豆を水に浸しておくと、翌日は水を吸って3倍くらいの大きさの大豆の形になります。
  鍋をガスレンジにかけ、煮込む途中でちょっと離れたら、煮汁が吹きこぼれてしまいました。あわててガスを止め、こぼれた煮汁を新しい手拭で拭いてしまい、白い手拭が黒くなってしまいました。
  それを見てさらにあわてて、急いで手拭をゆすいだのは言うまでもありません。ところが、ゆすいだら手拭が空色になったのでビックリしてしまいました。黒色が薄くなるだけだろうと思っていたのがきれいな青になったのです。
  そして内心、今度は黒豆の煮汁で布を染めてみようと思いました。以前、賞味期限が過ぎて、カビの生えたインスタントコーヒーでTシャツを染めたところ、茶色に染まったので、今度は黒豆の煮汁で空色に染めてみようと思ったのです。
 
  黒豆を煮るというのは難しいと言われています。皮が破けるとか、皮にしわがよるとか、きれいな黒が出ないとか、豆に芯が残るとか様々です。ですから我が家でも、出来合いの御節を買わないかぎり正月にも食べられませんでした。
  でも、豆を煮る究極のコツは火力です。コトコトと弱火で時間をかければ豆は上手く煮炊きできるのです。ところが部屋の中から囲炉裏が消え、火鉢が消え、石油ストーブが消えて、弱い火力で長時間加熱するという料理ができなくなりました。だから、黒豆が難しい料理となったのです。
 
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  私が黒豆を煮ようと思ったのは、その弱い熱源を見つけたからです。それは、30年以上前の保温プレートです。飲み物の温度を保つ道具なのですが、我が家では女房がろうけつ染めの蝋を溶かすために買いました。
  ろうけつ染めをやらなくなった今は、本来のコーヒー、紅茶、緑茶の保温に使っています。これで黒豆を煮る事を思いついたのです。最初の煮立てはガスで行い、その後は保温プレートに移せば煮立たない程度の加熱を長時間行えるのではないのかと考えました。
  その思惑は当たり、ガスレンジで煮こぼしたという失敗はありましたが、その後の長時間加熱に保温プレートは最適でした。皮も破けず、しわもよらず、色も黒くてやわらかく美味しくできあがりました。