現代?恋愛事情。

  もう20年くらい前になるから、現代恋愛事情じゃあないかもしれないけれど、独身の部下が恋をし、告白し、両思いになり、両親が旅行で留守の時には恋人を家に呼び、夫婦の様に過ごしていたらしい。
  そして、結婚した。そして、不仲になった。原因は、女性が在日だったという事が入籍の時に判ったからだ。私は自分をリベラルと思っているから、その急変が理解できなかった。
  とはいえ、映画『招かれざる客』のリベラルな両親も、娘が黒人の恋人を連れてきた時に取り乱すという話もある。本人がそれを嫌ったのか、両親が嫌ったのかは判らないが、結婚前はあれほど恋しがり、愛し合ったのに結婚して1ヶ月も経たないうちに、その愛が冷めた。
 
  別の根性の悪い部下がやった事はもっと悪質だった。恋人を縛り付けておくのに、恋人を家に呼び、両親に会わせ、食事も一緒にした。女性からすれば、男の両親に恋人として紹介されたから結婚も意識した。
  だが、それはバカ部下の策略だった。なぜそれが判ったかというと、その部下が若者同士で話している時に、女を縛る方法として自慢していたからだ。もし、私がその女性の父親だったら、そのバカ部下を殺していたと思う。
 
  2つの例とも、私が早期退社したのでその後どうなったのか結末は判らない。
  そんな事を考えると、見合いという風習は良かったと思う。仲人の取り計らいで、最初から両家の両親も顔を会わせるから、それぞれが責任を分担する事になる。それに、世間の目というのもあった。
  世間の目により、見合いを20回も30回もするという例はほとんどなかったのだ。何回も見合いを繰り返せば『あの家はわがままな家だ』とご近所に噂され、仲人も自然と見合い話を持って行かなくなるという安全弁があった。
 
  コミュニティーの崩壊が、恋愛・結婚という事情にも危機管理という考え方を持ち込まなければならない時代になってしまったと思う昨今である。