自民党政治の始動。

 安倍政権への期待からか円安が進み、株価が上昇している。さてめでたき事と思えども、これは期待感によるご祝儀相場なのではないだろうか。
 毎日変動する為替相場や株式相場はニュースとして毎日報道されるから我々の記憶を書き換えて興奮させる。だが、1日しか報道されなかった防衛省オスプレイ導入や原発新増設という安倍政権の暗部は忘れ去られていく。
 
 民主党に愛想をつかし自民党に投票した人々が『オスプレイ導入』や『原発新増設』を望んだろうか。自民党に票を入れた大多数はこの2つを絶対に望んではいなかったと思う。
 ところが、政治とはそういうものなのだ。広告と同じで不都合な事は伝えない。保険と同じ様に本当に大切な事は小さな小さな文字で印刷してある。それらを見落としたのは契約者側(有権者)の責任なのだ。
 
 さて、民主党政治を振り返ってみよう。本当に悪かったのだろうか。我々が前回の選挙で民主党に投票したのは自民党政治に愛想がつきたからではないだろうか。
 また、民主党政治の足枷となったのは自民党政治の置き土産を是正するのに手間取った事と、東日本大震災という戦後政治初の大災害があったからではないだろうか。さらに付け加えれば民主党からの政権奪還という自民党の党利党略による非協力を東日本大震災対応という自然災害にまで広げたからではないだろか。
 
 私の今年の目標は『ヒエラルキーの無い社会のイメージ構築』である。本当は訪問布教に熱心な『エホバの証人』が来たらそれについて聞いてみたいと思っているのだが、最近、私の家は布教活動から外されてしまった。
 それはそうだろう。あらゆる宗教は神仏という頂点があり、人々はその下での平穏が約束されるのだ。その理念は『王道楽土』と言って満州から中国までも支配しようとした旧日本帝国のプロパガンダと同じである。
 宗教こそ絶対的ヒエラルキー社会なのだ。また、それに近いものには共産主義社会主義も含まれる。共産主義等の社会理念を絶対のものとして、反論を許さない世界がどれほど生き辛いものなのかはソ連が崩壊し、中国が問題を抱え、北朝鮮に人権が無い事で証明されている。
 
 王道楽土を辞書で引くと『儒教で説く徳をもととして国を治めること』と書かれている。すなわち、権力の頂点に誰かがいるわけである。人間の思考など十人十色。百人百様。千差万別である。ヒエラルキーの頂点に立つ者、そして、それに群がる者に有利な社会構造が造られるのは否定できない。
 私が労働運動で学んだ程度の知識では、なぜソ連が崩壊し、中国に差別があり、北朝鮮に人権が無いのか理解できない。(そうはならないはずなのに)