漫画専用の隙間本棚

 部屋の隅に幅20cmほどの本棚を押し込んで漫画を並べています。私はバロン吉本の『昭和柔侠伝』と、白土三平の『赤目』が好きです。女房は上田とし子の『フイチンさん』が好きです。
 本の入れ替えを時々しますが、この3シリーズは定席から動きません。
 『昭和柔侠伝』は昭和20年~45年頃までが背景になっていて、『柔侠伝』シリーズ中唯一のバロン吉本自伝漫画なのだと思います。勿論、私の時代背景とも重なります。『赤目』は学生運動の天王山となった安田講堂の攻防中にも読まれたという、白土三平の初期の大作『忍者武芸帳』のエッセンスを更にギュ~ッと濃縮した様な短編です。
 女房は『フイチンさん』を連載で読んだ世代ではありません。私の買った単行本で気に入ったのですが、たぶん時代背景までは考えていないと思います。『フイチンさん』は上田とし子満州での美しき記憶と、子供漫画には夢と希望だけを盛り込むという初期少女漫画の金字塔だと私は思います。