『百億の昼と千億の夜』の愛の終焉。

 主人公は任務のために恋人と離れて宇宙を飛び回り、様々な苦難の果てに宇宙の真理にまで近づくが、それが破滅につながり下等生命体である20世紀の地球に人間として再生するのが精一杯だった。
 一方、愛を成就できずに田舎で生きる老婆の所へ、ある日記憶喪失の老人が現れる。やがて、引き取り手もいない老人は老婆と共に暮らす様になる。
 そして老婆が死に、老人は駐在にその事を告げに行く。駐在さんが老婆の死亡を確認して駐在所に戻るとその老人も息絶えていた。
 たしか、そんなエンディングだったと思う。まだ恋に恋する年頃の私は『百億の昼と千億の夜』の内容よりも、このエンディングに惹かれてしまった様だ。