『桜切る馬鹿』は私です。

  もう10年以上前になるけど、深大寺のダルマ祭り(3月3~4日)で河津桜を買ってきて、玄関先に植えた。
  場所が北側なので、日当たりが良くなくから成長は遅いだろうと考えていた。だが、春の彼岸を過ぎると朝日が当たるので、桜はその日差しをむさぼるかのごとくに、枝葉を東方向に伸ばした。
 
  それが、よい具合に玄関先に日陰をつくった。夏場にガスや水道の検針の人と顔を合わせたりすると『この下はホッとしますね』と声を交わすまでに桜は葉を茂らせた。
  盛夏には、時たま桜の下に立ち止まって汗を拭く人がいるのを見かけると、意外と嬉しいものである。(千円桜がよく育ったものである)
 
  だが、この数年は『桜は生命力の強い木』だと思う様になった。地表に出た根っこから芽が出てきたり、道路に飛び出した枝を切ると、翌年はその切れ目から多くの枝を芽吹かせる。俗にいう『天狗巣病』状態である。
  たぶん、昔の人はそんな様子から『桜切る馬鹿。梅切らぬ馬鹿』という様になったのだろう。
  それでも、ことわざはことわざ。現実的には道路に飛び出した枝は切らなければならないし、樹高も屋根の高さを超えると強風で幹まで揺さぶられるので、結局は枝を切らなければならない。
 
  去年は屋根を越えるテッペンの枝を切った。そうしたら、今年はそこに大小10本ほどの枝が出た。しかも、これ見よがしに2~3ヶ月で太く長く育つのである。
  その枝の始末しながら考えた。このままでは来年も同じ様に多数の枝が出てくるだろう。枝を出させない方法はないか?確信はないが赤のビニールテープを巻き、更に黒のビニールテープを巻いて日光を遮る加工をしてみた。
  来年、桜はそのビニールテープを押しのけて枝を伸ばすのだろうか。(来年が楽しみだな~)