目に起こる老いの兆候。

  最近の私の目は、夕方になるとパソコンの画面が見えにくくなる。私はノートパソコン派だからディスプレーも近いのだが、夕方になると老眼鏡をかけても画面が見えにくいので、なんでだろうと考えてしまった。
  多分、老眼が進んで目のピント機能が低下したのだとは思うのだが、それだけではなく、目の虹彩反応も一枚加わっているのではないか?とも思っている。
  瞳孔は明るければ瞳が小さくなり、暗くなれば瞳が開く。すなわち、瞳孔の大きさによる焦点深度の変化なのかもしれないと私は考えた。
 
  老眼になると『明るくないとよく見えない』と多くの老人が言う。すなわち、周囲が明るければ瞳は小さくなり、水晶体のピントが若干ずれていても、文脈や文字の形から読めるのである。
  この時の目は、水晶体でピントを合わせる人間本来の目ではなく、小さな瞳によるピンホールカメラ状態と言っても過言でない。
 
  そして、これを現実で考えてみると老人の夜間運転がどれほど危険なのかが判る。明るければピンホール状態の目でも周囲の状況は認識できる。しかし、これがひとたび夜となると瞳孔が開いてしまい、ほとんど見えない状態なのかもしれない。
  老化による自分の変化は、自分が初めて体験する事だし変化がゆっくりなので、なかなか自覚するのが難しい。気づいた時に理論的に考えて対処方法を考えて自覚する事が必要だと思う。
 
  それから、私は白内障でないからよく判らないが、水晶体内部の白いゴミに光が反射して景色が白っぽく見えるそうだし、強い光の下では眩しく感じるという。これも自動車の運転には適さない症状だと思う。
  また、緑内障は両眼視では気づかない人が多いらしいが、風景の一部が見えなくなるそうなので、これも困ったものだ。想像するに、盲点に入った時の様な感じなのだろうか。未経験だと表す言葉につまる。
  そういえば、私の知人が網膜はく離で眼内出血を起こした時は、上から暗い緞帳が降りてきた様に感じたという。当人の言葉には重みと臨場感がある。