やむを得ず、白樺をすべて切った。

  うちには約20歳になる白樺の親木があった。樹高は軒高を超えると風当たりが強くなって、風の強い日は大きく揺れて電線などを切ってしまうおそれがあるから、屋根の高さと同じ7mを目安に剪定していた。
  うちの白樺は、隣の市のさるお宅から苗を頂いたもので、言ってみれば東京生まれの東京育ちだったためか暑さに強く、スクスク育って約7年で樹皮が白樺特有の樺色になり、ヒラヒラと剥ける様になった。

  樹皮が白くなった頃から庭に白樺の苗が芽吹くようになった。最初は嬉しくて、玄関脇の親木のそばに2本植えた。とにかく沢山芽吹くので、一時はそのまま放置しておいたら、散歩していた人に『これ白樺ですよね、いただけませんか?』と聞かれてお分けした事もある。

 
  切り倒した3本の切り株の直径は、親木が約30cm、子供達は約15cmと10cmだった。しかも、その2本も小さいながら虫に食われていた。
  どうも、カミキリムシの幼虫が食い荒らすらしいが、幼虫が幹に入り込んだ穴を見つけるのが難しい。だが穴の場所は、幼虫が食いカスと糞を自分が入り込んだ穴から外に出す。だから、鉛筆の削りカスみたいなのが幹に張り付いている。それなのに、私の目では眼鏡をかけても穴が判らない。(ブモ!?)
  私はその付近にゴキブリ用の残効性の殺虫剤を糞が出なくなるまで何回も噴霧した。だから大きな空洞はできていないと思っていた。切ってみて判ったが、うちの白樺も根元を虫に大きく食い荒らされていたので写真に撮ってみた。もしこのまま育てていたら、いつかは強風で倒れていたかもしれない。歳を考えて切ったが結果としてよかった気がする。
 
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  白樺を育て終えて悟ったのは、根元を虫に食われるのは当たり前と割り切って、10~15年くらいで切り倒すのがよさそうである。それに、白樺はたくさん種をまくので苗もたくさん芽吹くし、育ちも早いから毎年何本かの苗を次々と育て大きくなったものは次々と切り倒すという事である。それが、結果的に美しい白樺樹皮と美しい葉を楽しむ方法だと思う。