たかが○○されど○○。のお歳暮えらび。

  地元にかりんとうの旭製菓があるので、今年のお歳暮はかりんとうにしようとネットでホームページを開いたら、そこに『たかがかりんとう  されどかりんとう。』と書かれている。その心意気が立派だ。
 
  私はすぐにネットで注文しようとしたが、女房は『お店まで行きましょう』という。私は(お歳暮だけでなく自分も何か買いたいんだね)と感じて同意した。
  私は油で揚げて蜜をかけたかりんとうはあまり好きではないのだが、女房はかなり好きな部類に入るお菓子みたいだ。多分、甘さと油で口と胃袋が満足するのだろう。
  お歳暮の商品も決まりめでたしめでたしで暮れの面倒くさい仕事が一つ終わった気分になり、一息ついた時に『たかが○○されど○○』という、世間でよく使われる言い方が再び頭に浮かび上がってきた。
 
  私が駆け出しの新米無線屋だったころ、仕事が上手くできた時に大先輩からよく『たかが無線屋。されど無線屋!!』とひやかされた。私はそれを軽い誉め言葉と思っていた。
  ところが赤ちょうちんで飲んでいる時に、別の先輩から『たかが無線屋。されど無線屋!!』の本当の意味を知っているか?と聞かれた。
  エッ!?と思ってその先を聞いたら、その先輩は『たかが無線屋。されど無線屋。しょせん無線屋』と続くんだよ。だけど最後の『しょせん無線屋』と言われたら凹むだろうと言いきった。
 
  私は、ガーンという気分になった。『たかが無線屋。されど無線屋!!』が大先輩からの完全なひやかしだったと判ったし、ヒョットすると若干の軽蔑も込められていたのかもしれないと感じたからだった。
  ただ、いまだに判らないのは最後の『しょせん○○』というのは一般社会でも認知されているのか、それとも『たかが○○されど○○』が正しく、『しょせん無線屋』は狭い無線屋仲間の言い方だったのだろうか。今も判らない。