安倍首相は何をやるか。

  10月27日フジテレビ系列で、夜7時から金曜プレミアム「坂上忍と大激論!ニッポンの危機もう他人事ではない!あなたの生活を崩壊させる!?教育危機」というのが放送された。
  まあ、全部見たわけではないのだが、前宣伝で泉谷しげるが凄い事を言うというので気にしていて見てみた。出だしは、日本の福祉は年寄りに厚く、若者に薄いというのは面白かったが、後半の福祉予算の捻出方法では、すべての預貯金の元本に1%だったか0.1%の税金をかければ捻出できると吠えた。
 
  やはり馬鹿はバカしか言わないものだと思った。もし、預貯金の元本に税金がかかるとなったら、預貯金をおろさない奴がいるだろうか。私だって郵便局と労金の貯金を全額おろす。
  すなわち、すべての銀行でとりつけ騒ぎが起こるという事である。当然ながら、銀行はお金を貸すのが商売だから、自己資金は10%以下で、すべての預貯金を返すだけの現金など用意していないから、とりつけ騒ぎが起これば銀行は窓口を閉鎖するので国民の不安はさらに増大する。
 
  とりつけ騒ぎに対して国家のとりうる政策は、預貯金の引き下ろし額に上限を設ける事か、紙幣を増刷する事である。引き出し額に上限を設ければ、財政破綻したギリシャの様に経済は停滞し急速なインフレ状態になる。もし、紙幣を増刷してすべての預貯金を返したとしたら、もっと重大なハイパーインフレをまねいて円の価値は1/100以下になってしまうだろう。
 
  国家のとりうる最後の手段となるのは新紙幣の発行という禁じ手である。それは戦後に実際に行われた。ようするに、新紙幣を発行して旧紙幣と交換するのである。ただし、一家庭に配布する新紙幣の枚数は制限される。
  戦後に行われた国策では、新紙幣を印刷する余裕が無かったのでシールを旧紙幣に貼る事で対応し、シールの無い紙幣はお金としての価値を認めなかった。という事は、いくら従来の紙幣を持っていても、シールの枚数を制限されたので苦労して貯めたお金の大部分は紙くずになってしまったのが事実である。