私が『いじめ』に敏感なわけ。

  私が『いじめ』に敏感なのは、私がいじめられっ子だったからです。でも、私には学校でいじめられた記憶がありません。私をいじめていたのは年の離れた長兄でした。
  長兄のいじめに比べれば、学校のいじめなど何とも感じなかったのです。それに、学校でのいじめは学校にいる時ですが、長兄のいじめは家に居るすべての時間のいつ起こるか判らないのです。
 
  長兄にはずいぶん殴られました。ゆえに、私には困った癖があります。突然の衝撃や大きな音で失神するのです。それは多分、長兄に殴られた時に失神する事で苦しみから逃れ、その後の更なる殴打から逃れる手段だったのでしょう。
  それと、私は小学校に入る前から『死んでしまいたい』と考えていました。日常的ないじめの苦しみから逃れる手段は、小さな頭では『死』しかなかったのです。だから、いじめられっ子が『死』を選ぶ気持ちが判ります。それしか思いつかないのです。
 
  長兄と私の年が離れているのは、中兄が死んだからです。もし、中兄が生きていたら、どうなっていたでしょう。多分、長兄と中兄が組んで私をいじめたと思います。なぜなら、長兄は中兄に拳骨を見せて『お前もやれ』と中兄を脅したでしょう。
  力の世界というものや、悪の世界というものは、つるんで悪を行うものなのです。なぜなら、いじめをとがめられた時『いじめたのは僕だけじゃあない』と逃げ口上になるし、上手くすれば中兄を主犯にして自分は仲裁をしたとまで言えるのですから。
 
  力の世界は必ず強者から弱者に向かいます。以前テレビで岩崎宏美が妹の岩崎良美をいじめた話をしていました。
  いきなり妹の頭にコップの水をかけたり、ドアが閉まる寸前の電車から飛び降りて妹を車内に置き去りにした思い出話でした。でも、そのいじわるは岩崎宏美がお姉ちゃんからやられた事だったのです。いじめとは強者から弱者に伝えられるものなのです。なおかつ、同じ事をするのが不思議です。
 
  実は、ご近所の大地主の大奥様は姑にずいぶんと『嫁いびり』を受け、姑の亡くなった後に親しい友人にそれを話しました。私の女房も、その親しい友人の一人でした。そして、豊かなのにかわいそうな人生だったと思ったのです。
  ところが、その大奥様が息子の嫁に『嫁いじめ』をしたのです。そして、とうとう同居していた息子夫婦は家を出ました。
  自分の受けた姑の嫁いびりを、何も考えず意識もせずにそのまま息子の嫁に向けたのです。しかし、少子化など時代は変わりました。親のご機嫌とりなどしなくても、老後の面倒を看なくても、遺産は転がり込むのです。
  現在は体の弱くなった大奥様とご主人が大きな家に二人で住んでいます。健康上の不安を抱えて息子夫婦には戻ってきてもらいたいと思っていますが、はたして、戻ってきてくれるでしょうか。
 
  いじめられっ子の皆さん。『死』に逃げるのではなく、時を待ちましょう。私の場合、長兄は80代になりました。生活の不安からか、私に秋波を送ってきます。私が復讐するチャンスがやってきたのです。長兄は子供が遠くに住んでいて緊急時には役に立ちません。どう料理しましょうか。(怖っわ~!!60年経って復讐なんて、自分自身が恐ろしい)