日本の移民は棄民!なら中国は侵略?

  日本政府が実施した移民政策は確かな情報も無く国民を海外に送り出し、移民一世は『我々は移民でなく、棄民されたのだ』という声をむかし聞いた。
  高度成長時代の頃には、ブラジル移民の一世が一時帰国した時『日本が戦争に負けたなんて嘘だったんだ。負けていたらこんなにいっぱいビルが建っているわけがない』と言った。
  国家の嘘で夢を抱いた移民一世は苦労の末に移民先で評価を得て、ある国では大統領まで輩出している。勤労の努力とその国になじむ努力の結果だと私は思う。
 
  数年前に、女房が友達から横浜中華街の事を聞いてきて、半年の間に5回も遊びに行った。その時に見つけた中華菓子『番餅(バンピン)』は、その年のお歳暮に送ったほどである。
  だが、私は3回目あたりから中華街特有の雰囲気に嫌な気分が湧き上がってきてしまった。街の作り自体に感じる中華思想に息苦しさを感じたのである。
  当然ながら、中華街は風水の思想で作られ、道路も整然とはしているのだが、周囲の道路との相性が悪いのである。すなわち、周囲とは隔絶した中国が横浜に出現しているのである。
 
  その後の中華街は、元町散歩の行きか帰りに通過するだけの街になってしまった。私の肌には元町の方が合うみたいだ。
  異国に住み、その国に骨を埋めるなら、出身国のアイデンティテーを強く持った中国人の様な生き方もあるだろうし、日本人の様になじむ生き方もあるだろう。どちらが良いかは判らないが、私はなじむ方が好きだ。
  戦後の匂いが残っていた私の小学校時代に、世界中の人間がみんな混血したら戦争は無くなるかもしれないという考え方もあったが、文化の差を考える時にはそんな考えも出てくるものである。
 
  横浜中華街では、今月27日夜の春節カウントダウンから春節の行事が始まる。女房はハデハデな中華獅子舞を見たいらしいが、私の気持ちはすすまない。