さざえの結婚。

  漫画のサザエさんではありません。私は、結婚をお互いがさざえの様な状態で始めると考えています。さざえは荒磯で波に流されないために殻に角を付けたといわれています。ですから、産地によって角の太さや長さが違うらしいのです。(最近サザエなんか食ったことがね~っ・怒)
 
  お互い生まれも生活習慣も違う男女が一緒になって一つ屋根の下で生活をするのですから、様々な行き違いがあって当たり前だし、意見の違いで嫌な思いをする事も当たり前です。
  新婚時代はそんな事も我慢の範囲なのですが、人間は苦痛を我慢するのが苦手です。小さな苦痛も積み重なれば我慢が出来なくなって言い争いの原因になります。
  でも、私は言い争いを悪いとは考えていません。それは、QCでいえば問題点の抽出にあたります。ところが、人間は感情の生き物ですから言い争いから口喧嘩となり、勝ち負けに固執してしこりを残す事となります。
 
  そんな様子を、私はさざえの結婚とイメージしています。お互い産地が違い、角の太さも長さも密度も違えば、2個が近づこうと思えばどれかの角が邪魔になって近づく事ができません。
  近づくためにはお互いに角を折ったり、短くしたりする以外ありません。まあ、どちらか一方がすべての角を折ってしまうという方法もありますが、それは個性の剥奪であり、精神的支配であり、相手を奴隷化する事になります。(それではいずれ破綻します)
  角がぶつかる事で問題点が判ったわけですから、お互いが苦痛なく譲歩できる範囲で角を短くするのが良いのではないでしょうか。
 
  私が結婚した頃は、女性が専業主婦となるパターンが多かったですから、夫婦で充分に話し合う事ができました。ところが現代は結婚後も共働きで、結婚年齢も高くなり、お互いの収入も大きくなり、自分の生活パターンが出来上がっています。すると、まず財布を一緒にする事にめらいを感じる夫婦が多いみたいです。
  また、共働きのため話し合う時間がなかなか取れないとか、言い争いを避けるために話し合わないとかの夫婦も多い気がします。
  私は、話し合わずに女房と心の乖離を防いで末永く一緒にいる自信はありません。