安倍首相の抱き合わせ政治手法。

  自衛隊法もそうであったし、今回の総合型リゾート(IR)法もそうである。個々に議論しなければならない法を抱き合わせにして審議し、強行採決したのである。すなわち、強行採決しなければならない法というのは、個々に論議したのでは可決される可能性が無いので、十把一絡げという目くらましをかけて国会通過を謀ったものである。
  そして、実質的には14日に国会は終了し、今日、無意味な延長の末の国会が閉幕した。
 
  今国会の最終決議となった総合型リゾート(
IR)法だって賭博という違法行為を合法にする危険法案であった。そして、当初は11月末日までの会期を14日間延期し、さらに3日延期までして通してまで賭博法案を通したのである。
  最初の14日までの延期は、15日にプーチンと会う前日までというスケジュールから出たものであり、その後の3日の延期は総合型リゾート(IR)法案が国会期限切れで廃案になるのを防ぐための、政府の都合によるなりふり構わぬ延期だった。
 
  私は12月14日までの延期で年末解散は無いと思った。そうしたら1月解散説が出てきた。阿呆らしい解散の噂である。そうしたら安倍首相自身が解散の噂を打ち消したが、解散したければすればよい。
  そうだろう。プーチンとの会談が成功しなかったのだから、いま国民に信を問えば議席を減らすと思ったから火消しをしたのだろう。
  だって、4島返還に関しては今までと何も変わらぬ合意しか得られていないのだ。それなのに、4島に対する経済援助だけは結ばされてしまった。それでは得るものの無い持ち出しだけになってしまう。
 
  だがしかし、野党は自民に対する対抗策に何を持っているのだろう。それこそ、安倍首相が火消しをした解散が不意に復活する事を考えて、年末年始から賭博を容認する総合型リゾート(IR)法の危険性について辻説法でもやるくらいの政治活動をしろというのだ。
  蓮舫民進党代表なんか質疑の途中で安倍首相から「そんな事ばかり言っているから議席が増えないんだ!!」とまで侮辱されている。しかし、安倍首相も酷い事を言うものだ。東日本大震災の時にはつまらぬ言いがかりで審議を遅らせたのは野党の自民党じゃあないか。
  とにかく災害対策を急がなければならない時に、野田民主党代表を挑発して解散させ、自民大勝の党利党略のはかりごとを仕掛けた。
  私はあの時の自民党の審議妨害で被災者に大きな迷惑をかけた事を絶対に忘れない。安倍の頭には国民に対する考えなどまったく無いのだ。