『ヌーハラ』って何だ??

  昨日の午前8時からのフジテレビの『とくダネ!』の中でヌーハラという言葉を初めて聞いた。何の事かと思ったら、日本人が麺類を食べる時にたてる音を外国人観光客が嫌がる事から出た言葉らしい。
  私が一発回答するならば、それが日本の文化なのだからエイリアン、エトランゼ、異邦人、観光客は我慢すべきだ。それが嫌なら日本に来るな。だッ!!。
 
  まあ、そう言ってはブログにならないから、私の考察を書いてみると、それは日本の昔の食料事情にあると思う。
  今でこそ日本には様々な食品があふれているが、百年ほど時を戻すだけで日本の食料事情の貧しさが判る。特に、4足獣の肉を公式に食べるのは明治維新以降なのだが、一般家庭で肉を食べる機会はきわめて少なかった。
  動物性たんぱく質のほとんどは魚という食料事情から、日本の調理方法はとてもさっぱりしていた。汁が食材に絡む様にした調理方法は『あんかけ』として独立したおかずになっているくらいである。
  ところが、中華料理などは水とき片栗粉を常用しており、日本料理からすればすべてがあんかけ料理と言ってもよいくらいである。西洋料理は獣脂が多いので特にあんかけにしなくても味がからんでいる。
 
  日本のシャバシャバした水の様な汁では料理にからまらないから、味を濃い目に調理するか、汁を同時にすすりこむ食べ方になってしまう。必然的にすすりこむ音が生じるわけである。
  そして、すすりこむ食べ方は食材のかすかな香りを味わうという味覚文化が自然発生的に生じた。口の中で食材と空気がふれあい、食卓に出された時には感じなかったかすかな香りまで感じられるのである。
  代表的なのは蕎麦だと思う。蕎麦の香りもかすかなものであるが、すすりこんだ空気を鼻から出す時により強く蕎麦の香りを感じられる。
 
  最近、私の食生活で面白い事が起こった。健康のために痩せようともがいていた時、おかずの味が濃いとどうしてもご飯を多く食べてしまう。仕方なく料理の味をだんだん薄くしていった。
  はじめはなんとも味気ない気がしたが、味覚も習慣でありそのうち薄味に慣れてきた。そうしたら、今までは味付けの後ろに隠れていた素材の味が良く判る様になった。
  素材の味を生かすという日本料理の根本も、あるいは貧しかった食料事情からだったのではないかと思いはじめている。