男も女も言葉で騙される。

  ♪貴方だ~けが生き甲斐なの。お願い、お願い、捨て~ないで♪。てな事いわれてその気になって、女房にしたのが大間違い。炊事洗濯まるで駄目。一言小言を言ったなら、プイと出たきり♪ハイそれま~で~よ~♪。
  昔クレージーキャッツ植木等がそんな歌を歌っていた。
 
  その歌からかなり経ったが、それでもかなり昔。学生運動でアジ演説の上手い男がいて、その男の言葉でそんな世界がやってくると信じた女がいた。そして共に暮らす様になったが、その男はアジ演説は上手かったが、実社会での生活は下手だった。
  結局、男は女の紐の様な生活を続ける事となった。女が愛想をつかして離婚しなかったのは、男が毎夜のごとくに女を愛し、羽化登仙の思いをさせていたのかと思った事もある。
  だがしかし。SEXは体だけの関係ではない。愛想をつかせて心が離れてしまえば、肉体だけの喜びなど、虚しさがつのるだけなのだ。だから、女は離れて稼ぎ、金だけを仕送りする様になった。離婚せず、仕送りする様になったのは女のプライドだったのだろう。共に、学歴の高い2人だったから、仕送りをしながら離れて暮らす。それが2人の高いプライドが導いた結論だったのだろう。
 
  うちの息子も数人の女性と付き合った様だから、少なくとも数人-1=数人の女性の事は言葉で騙した事になる。
  私は嘘には良い嘘と悪い嘘があると思う。1つ1つ細かく詮索するとキリがないから大雑把に言ってしまうと、すぐにバレる嘘は『冗談』だと思う。一生騙し続ける嘘は『真実』だと思う。
  一番タチの悪いのが途中で嘘がバレる嘘である。うちの息子も、数人-1=数人の女性を騙し、泣かせている。そして、騙していない、もしくは騙し続けているのが結婚した女性である。私の唯一の心配は息子がその女性を一生騙し続けられるかどうかである。
 
  私は女房に『俺はお前が大好きだと一生言い続ける!!』と言っている。上記の嘘の三原則を知っている女房は「ウン判っている。嫌いだったらお世辞も言えないからね!!」と涼しい顔をしている。(完全に見透かされている)
  そういえば、黒柳徹子の大好きなのが、南こうせつの父親が死んだ時に母親が『私はお父さんを好きじゃあなかった』という話であり、毎年徹子の音楽会に南こうせつを呼んでその話をさせるらしい。(なんだかな~?徹子は変な女である)