衝動から行動までの閾値。

  昔、高島平のビルが自殺の名所となった事がある。不思議な事に、自殺には時代に合わせて名所といわれる場所ができてしまう。私の知っているのでは熱海の断崖や伊豆大島三原山火口などがあった。
  学者の話では、誰かが自殺に成功すると、その場所なら確実に死ねると思って自殺する人が続き、マスコミが自殺の名所と書くのでさらに自殺が続くという。
  そして、名所は自殺未遂者が出るか、マスコミが騒がなくなるか、別に新しい名所ができるまで続くという。
 
  しかし、自殺は衝動だけで死ねるものではなく、自殺を実行する障壁を越える行動力が必要となる。すなわち、実行する際の支障が大きければ自殺には至らない。
  高島平の場合は屋上の金網の高さを増した事により自殺者がいなくなり、熱海の場合は時代遅れとなってすたれ、伊豆大島の場合は火山ガスで苦しんだ未遂者が出てすたれた。
 
  前回のブログのデスノートという道具は、殺人実行の閾値が非常に低く、日常生活レベルで殺人が可能だから、私は最後の1人になるまで人間は他人の名前を書き続け、最後の1人は自分の名前を書く事になると推測した。
  私は、衝動から行動までの障壁が低ければ、人間は何でもやってしまうと思っている。