女房のボケ。私のボケ。

  女房がボケ初めたのではないかと感じたのは、私のパソコンをひどく嫌う様になったからである。まあ、昔から夫がパソコンにのめり込んで女房を放っておく様子を『パソコンウィドー』と言ったけど、女房も私がパソコンをやるのを嫌っていた。
  それでも、自宅パソコンは持ち帰り仕事から始まったので文句を言うことはなかった。ところが今年になってから、私が1時間もパソコンをやっていると文句を言う様になった。
  以前ならば『お茶が入ったよ』とか『ご飯にしようよ』とパソコンの手を止めさせたのだが、最近は『もう止めなよ』とか『長すぎるだろう』と直接的表現で不快感を表す様になった。
  私はその変化を寛容の心が薄れたと受け止め、ボケの初期症状と判断した。そして、女房の心の苦しみを軽くするために、週に3回『月・水・金』で更新していたブログを『月・木』の2回に減らした。
  だけど、女房はパソコンが使えないから、私にパソコンでスーパーのチラシを出させるのは当たり前と思っているのに、テレビドラマを見ている時に私がパソコンをやると『あなたのパソコン姿を見たくないからくだらないテレビまで見るようになった』とつぶやく。
  素人判断だから女房がボケ始めたのかどうかは正直判らない。だが、そんな女房のわがままで口喧嘩するよりも、ボケの初期症状と思った方が良いに決まっている。
 
  そして、私も自分のボケの初期症状を最近認識した。
  私は以前の Windows に添付されている『フリーセル』というゲームをよくやる。面白いからやるのではなく、フリーセルが一番パソコンの意図?が入らないゲームだから好きなのである。
  パソコンはカードをランダムに並べる。あとは私がカードを並び替えるだけなのだが、これを本物のカードでやろうとすると、大変に手間のかかるゲームである事は想像に難くない。
  そして、ゲームを成功させるためには、少なくとも数手は先を読まなければならない。現在も私の勝率は7割以上だから判断力は低下していないだろうと思っている。ただし、以前ならば5回以上連続できたものが、3回以上続けるのは苦痛になってきているから、脳力が低下してきているのは否めない。
 
  実はそれ以外でも、親しい人のブログにコメントが書けなくなってきているのである。自分のブログを書くのは時間をかけて下書きしているから続けられるのだが、コメントは短時間で一気に書かなければならない。これが難しくなり、コメントを書き始めては途中放棄してしまうことが多くなった。
  「私はもともと文章を書くのが下手だった」と、言い訳で自分を誤魔化すのをやめ、素直に「これはボケの初期症状だ」と認めて対処方法を考える事にしたが、まだそれを見つけられないでいる。
 
  ボケ始めても、話す事からボケを知るのは難しい。ところが、ものを書かせるとボケは意外と見つけられるのである。
  もう亡くなったが、近所のご隠居さんは早起きで自宅前の掃き掃除なども行い、立ち話なども上手な受け応えでとてもボケている様に見えなかった。ところが、家族から『用事がある時はお爺ちゃんに言わずに私達に話してください。お爺ちゃんは何も覚えていませんから。』と言われた。
  また、以前に書いたとは思うが、母方の祖母は葉書に用件を書くと、余白に『いろは』を書く様になってボケが発見された。ものを書くという事は脳力を必要とする作業なのである。ゆえに、ボケは書く事で見つかる事がある。(まさに私の症状だ)