電子工学を支える機械工学。それを支える職人の手。

  現代はパソコンなどの電子工学全盛の様に見えるが、それら半導体を作る機械は1/1000mm以下の精度をもつ最先端の機械工学の設備により作られている。
  すなわち、最高の電子機器は最高の機械により作られているのである。そして、その精密機械を作るのが熟練した職人の手である。
 
  ロケットなどの高度機械工学も同様に高精度の機械と熟練職人の手によるものである。自動車だって約2万点のパーツから出来ているそうだが、火星へ行く有人ロケットのパーツ数はいったい何万点になるのだろうか。
  もし、太陽系外惑星に行くロケットは予備パーツを積み込むだけで済むのだろうか。多分、その時の文明を支えている基幹工業のすべてをロケットに載せなければならないのではないだろうか。
 
  太平洋戦争では戦線が延び、日本からの補給に頼れなくなった南方軍では、ワイヤーロープをほぐしてタイヤのビードとして、軍用トラックのタイヤを作ったという。
  太陽系外に飛び出していくロケットには、そのロケットを作った産業のすべてを積み込まなければ、成功どころか帰還すらできないだ
ろうと私は思う。