非常食を常備する。

 自然災害はいつやってくるか判りません。そんなに大きな災害でなくても、3日間も電気が停まれば日常生活は乱れます。
 大規模停電でガソリンスタンドのポンプが動かなければ自動車も止まり、物流は途絶えて食糧事情にも影響が出ますし、上下水道にも大きな影響が生じます。
 たとえ、自家発電があっても何らかの対策を講じなければ食生活にも支障が出ます。
 
 無線は有線に比べると災害に強いと言われてします。しかし、無線設備を保守する人間は災害の影響を受けますので、私も勤めていた時には災害対策を立てさせられました。
 無線装置系の災害対策はそれまでのやり方が踏襲できたのですが、非常食は缶詰の乾パンという終戦直後を思わせるひどいものでした。
 乾パンを数日間食べ続けた事のある人など現代日本に何人いるでしょうか。皆無に近いと思います。数個くらいは何かの折に味見した人はいるでしょうが、3食乾パンだけで過ごすなんて、お金でももらわなければできないほどにゲロマズなのです。
 
 私は、一番最初に自衛隊を参考にしましたが、その頃の自衛隊はご飯もオカズも缶詰が多く、少量での入手は困難でした。それに、地方のスーパーにもレトルト食品が数多く並び始めた時代でしたから、これらを利用して非常食のメニューを考えました。
 ただし、レトルトパウチ食品の賞味期限は1年程度と乾パンに比べると短いので、非常食の回転を考えなければイザという時に役に立たなくなります。私が考えた非常食の回転方法は、仕事始めに非常食を皆で食べるか、宝引きの商品として皆に持ち帰ってもらう案でした。
 これは功を奏し、仕事始めの日の一杯会でのつまみとしてほとんどのレトルトパウチが食べられ、お酒のつまみに合わない物は独身者が持ち帰ってくれました。仕事が終わってから会社内でお酒が飲めた良い時代?の話です。
 
 今、我が家でも長期保存可能な日常食は非常食という考え方で食材を保管しています。特に、レトルト食品は家事の手抜きとして食べて回転をはかり、乾物類は日常的に食べながら在庫を入れ替えています。我が家の特殊な例は煎餅を大量に常備し、古い物も3~4ヶ月で食べ切る様にお茶うけとして回転しています。
 煎餅の保存期間は半年くらいで、乾パンより短いけれど、乾パンに比べれば非常においしく、日本人には向いている保存食です。それと、羊羹も保存食のつもりで保管しています。水は2リットル瓶1ダースを夏場に使用する事で入れ替えています。