お風呂は追い炊きできるタイプが良い?。

 現代の家庭用の風呂は、原理的には瞬間湯沸かし器に浴槽に貯めた湯を暖める追い炊き用釜が付いていると考えればよい。一家で続けて風呂に入る習慣があるなら経済的である。
 私も家を建てた時、追い炊きのできる風呂にしたかったのだが、事情により瞬間湯沸かし器から1回ごとに溜めるプラスチックバスしかつけられなかった。
 一緒に家を建てた長兄の方には、追い炊きができるタイプのステンレスバスだったのが羨ましかった。
 
 それから約17年。瞬間湯沸かし器の寿命は10年といわれているので、へーベルハウスは点検のたびに『そろそろ湯沸かし器を換えた方がいいですよ』と言っていたのだが、東京ガスの点検では燃焼異常もなかったので使い続けていたが、とうとう壊れた。
 私の瞬間湯沸かし器は約10万円で交換できたが、長兄も湯沸かし器を変えようと思って見積りさせたら、浴室のリフォーム込みで約300万円の見積もりになった。ヘーベルハウスハは『型が古いので湯沸かし器だけ取り換えられませんし、リホームすれば寒い浴室も暖かくできますよ』と勧められたらしい。
 
 結局、長兄は見積金額の高さから湯沸かし器の取り換えは断念した。こうなってみると、1回ごとに湯を使い捨てにするのが不経済か、湯沸かし器の寿命ごとに浴室をリフォームするのが不経済か、どちらなのだろうか。
 現代の生活様式を考えると、家族全員が続けて風呂に入る習慣なども無くなり、追い炊きのできる浴槽は生活パターンに合わなくなってしまった気がする。現実的には追い炊きタイプでも1回ごとに湯を入れ替える使い方のほうが多いのではないだろうか。
 
 ただし、長兄の見積もりには問題がある。ヘーベルハウスがどうしてリフォームまで勧めたかである。私は思う。多分、何らかの細工をすれば追い炊きタイプの湯沸かし器(約30万円相当)だけ取り換える事はできたはずである。
 市中の業者に頼めば、多分、そうしたであろう。だが、他業者に何かさせれば『へーベルハウスの60年保証が打ち切られますよ』などと脅しをかけていたのではないだろうか。
 それとも、手間ばかりかかって利益の少ない湯沸かし器交換を、浴室リフォーム込みで見積もり、あわよくばリホームの高額受注を目論んだのかもしれない。内心では、どうせ数年後にはリホームせざるを得なくなるさと、たかをくくっているのかもしれない。
 
 私のブログ友人のヒデ様はプロが素人を騙すのを嫌う『プロ中のプロ』である。技術で生きてきた私にもその言葉は重く響く。
 そう考えると、長兄の要求を無視して、いきなり、リホーム案を提示したへーベルハウスのやり方は、建築のプロとしての自覚に欠け、会社の意向だけの見積もりを書いただけと感じる。技術者魂を売り渡した様な対応には、好感が持てない。