稼ぐ喜びと使う楽しみを奪った竹中平蔵。

 『上流から下流』理論は、その昔、民社党の支持母体であった同盟の『親豚子豚』理論に似ている。同盟(間違えました総評でした)を率いた太田委員長?だったかな?俗に『太田ラッパ』と揶揄される事の多い人だったが、企業を親豚に例え、労働者を子豚に例えて、親豚が太らなければ子豚も太れないと言っていた。
 そんな実現しなかった思い出話はさておき、現代の政治が笛を吹いても踊らぬ国民感情をどうするかである。現在の消費の低迷が国民のケガレに由来するならばハレの行事でケガレを払うべきだ。
 
 私に出せるアイディアなど少ないが、宝くじなどどうであろうか。100本に2本1万円の商品券が当たる宝くじを1枚300円で売り出すのである。
 1枚300円だから100枚買えば3万円である。そして2万円の商品券が当たる。バック率は約67%になる。
 少なくとも、現在の高額当選の『たっ?空くじ!!』よりはバック率が良い。また、賞金が商品券で支払われると、現金が返るよりは消費に回る率が高くなる。こんな宝くじを毎週1年間続けてみてはどうだろうか。
 
 本来ならば、高田屋嘉兵衛がやった様な『浜辺の石拾いに対価を渡す』方法。すなわち、金をばらまくのではなく、つまらぬ労働であっても、労働の見返りとして対価を渡す方法が良いのであるが、私には思いつかない。
 とはいえ東日本大震災の時、日本全体が自粛ムードになってしまった。ところが、被災地の東北からは『商品を買ってもらえる事が一番の復興策になる』との声が出た。これは高田屋嘉兵衛の方法と同じである。
 
 かといって、私に何か根本的な策があるかと問われても、無線屋だった私に経済政策は思いつかない。だが、少量の砂糖で綿飴ができて祭り気分を盛り上げる様に、バック率の良い宝くじならばハレの気分の盛り上げくらいにはなるだろう。
 所詮、ハレの行事はカブくもので一種の熱病の様なものだ。今は、停滞した気持ちに消費の楽しさを思い出させるだけでよいのだ。