『上流から下流』理論は大企業だけが儲かる。

 昔、無線関係の積算をやった事がある。今から思えば実に大雑把な積算だった。大企業の入札では3割の利益を上乗せし、中企業の入札では2割の利益を上乗せし、小企業の入札では1割の利益を上乗せした。
 すなわち、大企業であれば子請け孫請けの下請けがいるであろうとの配慮であり、中企業であれば子請けがあるだろう。小企業は自分のところでやるだろうとの意味である。
 
 ところが、実務面ではこんな配慮は通用しない。結局、元受が利益のほとんどを搾取してしまうのだ。極言すれば、下請にはほとんど利益の流れないのが『上流から下流』理論の現実である。
 竹中平蔵自民党政治とは、すなわちこれなのである。現実の泥臭さは理論の明晰さでは駆逐できないのである。現在の自民党政策では庶民が浮かばれる事はなく、搾取されるだけなのだ。